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日々是好日

ICO:宮部みゆき(続き・・・)

 先日は感想どころか、内容に全く触れてなかったね・・・
イヤイヤ、反省反省

 この小説は、筆者がゲームオタクと云う事もあり、ゲームを基に描かれています。
ゲームの内容に触れて、面白かったので小説化したい、と掛け合ったとの事。
独自の世界観を持つゲームという事で、なかなか難しかったと思いますが、そこは宮部みゆきサン、見事に世界を創り上げ完成させています。
まぁ、自分はゲームをやってないのでどういう世界か良くわかってなかったりしますが、ゲームから入った人の中には「蛇足」との声も上がっております。
自分としては、なかなか良い作品になったと思ってますが・・・マァそれはその人の感性の問題と言ってしまえばそれまでですが、読んでいて文章の端々から、筆者のゲームに対する愛情が感じられるようでした。

 さて、内容に軽く触れておきますと。
数十年に一人生まれる角の生えた「ニエの子」
その子は、13才になると「霧の城」に生け贄として捧げられます。
両親と別れ、村長の手によって「生け贄」として育てられる少年イコ。
イコ本人のみならず、村長の目を通して描かれるシキタリの内容と葛藤。
霧の城に住む魔女の正体とは・・・もし「生け贄」を捧げなかった場合、どんな災厄が待っているのか。それは物語を読み説いていく上で次第に明らかになってきます。そして「ニエ」の持つ本当の意味も・・・。

 物語は3編に分かれています。
1部は導入。イコの誕生から村長や村びと達の葛藤等を描き、霧の城に向かい、そして運命の少女「エルダ」に出会います。
そして魔女との対決・・・

2部は少女「エルダ」の生い立ち、過去「霧の城」に何があったのか、そして角の生えた戦士とは・・・

3部はいよいよ魔女との決戦です。
魔女に立ち向かう為には2つの力「かつて分かれた知と勇」が必要となるのです。イコはそれを見つけだす事ができるのか、そしてエルダを助け出す事ができるのか・・・

何か人間の「善と悪」を見ているようで、宮部みゆきならではの視点だなぁと思いました。それでいて最後のエピローグで心や安らぐ、そんな感じの作品です。

ただ自分としてはゲームの内容を知らないだけに、少し評価は落ちるかもしれません。ですが誰にでもオススメできる良い作品ですよ。特にゲーマーさんには、ねw