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日々是好日

秘密:東野圭吾

 ブログ巡りをしていると、面白そうな作品にぶち当たった。
 正確には紹介されてたのは「白夜行」だが、レビューをみると少しブルーになる作品だとあったので、借りずに秘密を借りてきた。
 なんだか大ヒットしたようで映画にもなってるとか・・・でも主演が広末涼子ってトコで見る気うせましたがw

 何ともない日常を送っていた中年男性がスキーバスの転落事故により、妻を亡くし、娘は植物状態を宣告されます。
 その後奇跡的に娘は目を覚ましたのですが、その精神は妻の直子のものとすりかわっていたのです。

 小学生の体を得た妻との奇妙な生活の始まりでした。
やがて女性として成長して行く「娘」、その事に一抹の不安と寂しさを覚える夫の平介。
 その隔絶はエスカレートしていき・・・


 題材としては、使い古された感のある精神の入れ替え事件。それを中年の夫婦という、ある種人間的に成熟した視点で描き、よりリアリティーを持てたせている。
 夫婦としての、そして父娘としての二人の間柄、その葛藤があまりにもリアルで、少なからず鼓動が激しくなるのを感じました。
 夫が「娘」の秘密を暴こうとする辺り・・・自分の暗い部分を見るようで、恥ずかしくナナメ読みしてしまったぐらいです^^;

 一度、その辺りでページを止めてしまったのが駄目だったのかも知れません、昨日はあまり寝付けなかった^^;

 今日改めて読み飛ばしたところから最後まで読み進めてみて、評価がまた変わりもしました。
 夫として父親として愛する者にしてやれる事は・・・
 そして彼女が抱えていた最大の「秘密」とは・・・

 少し暖かくも、切ないストーリです。

 次は「片思い」を読んでみよう、という気になりました。

秘密 (文春文庫)
オススメ度 ★★★★★
切ない度  ★★★★
不眠症度  ★★★★