浦沢さんの最新作。
手塚治虫の原作って事で、どんな漫画だろう・・・と思っていたら
アトムを別の視点から描いた作品だった。
(実際に巻の最後で少年アトムが出て来る)
ロボットが人間と同じような生活をしている世界
これもSFミステリーになるのだろうか?
前作モンスターのような作品を期待してたけど、まだ1巻だし今後の展開次第かな。
というかアシモフのようなハードSFミステリーを読んでる最中だから、少し物足りなく感じたのかもしれない。
日本ではアトムの誕生日が過ぎ、もうすぐドラえもんが生まれようとしている。
これほどロボット文化が進んでいるのは、一説に手塚治虫の功績と称えられている所がある。
(漫画文化が発展したのも彼の功績だとか。話が飛躍している気がするが一端は担っていたと思う)
日本で生まれた数々のロボット物語、その位置は決して人に危害を加える事なく、友人あるいはそれ以上の存在として描かれている。
それは日本人にフランケンシュタイン症候群(Franken Syndrome)を取り払うに充分な薬になった事だろう。
(自分の作ったロボットが反逆するという恐れ)
かたやアメリカの作品、例えば映画を見ても「ターミネーター」はロボットが反乱する物語だし、「マトリクス」も機械に支配されている人間を描いている。
読む物語の違いで、これほどまでに影響がなされるものだろうか。
しかし、それぞれの文化の違いもあるのだと思う。
例えば日本における「妖怪」の位置と、欧米の「モンスター」とは全く位置付けが違う。
モンスターが出て来る物語は勧善懲悪、悪いものとして排除されるのが常だが、妖怪はどこか憎めない存在で、常に人の近くに居り危害を加えない者も多い。
しかしまぁ、この作品はフランケンシュタイン症候群にも無関係じゃなくなってくるだろう。
その時、彼らロボットは人間をどう見るのか、次巻に期待してみる。
オススメ度 ★★★
ロボッ度 ★★★★
手塚治虫度 ★★
- 作者: 浦沢直樹,手塚治虫,長崎尚志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2004/09/30
- メディア: ペーパーバック
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