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日々是好日

魔術師の弟子

 世界が明けた
彼はいつもと変わらぬ場所で目を覚ます
外は既に夜の帳が降りているが、其処は光に満ちて居た
そして大勢の人・・人
誰もが他人にかまわず自分の生活をしている
そう思う彼も他人のことなど気にしていない
今日はどこへ狩りに行こうかと考えながら、ふと目についた露店を眺めてみる
もちろん買う気はさらさらなく、ひやかしばっかりだ

 最近狩りも面白くないなぁ・・・
そんな事を考えていたら仲間から通信が入る
そういえば仲間の一人が、最近魔術師を目指している事を知った
まだ駆け出しで上手く魔法が使えないらしく、良くモンスターにやられるとぼやいていたのを覚えている

彼は魔術師の職を持って居た
努力の甲斐あってか、仲間内でも信頼を得て狩りにも良く誘われるようになってきている
同じメンバー内には先輩魔術師も居るのだが、最近はめっきり姿を見なくなった
まだ先輩には追い付いていないが、自分にもそれなりに技術が着いているとの自負もある
今では本職の神官戦士の影がうすくなり、そのことが彼の悩みでもあるのだが
頼られる事も悪く無い、と思う
それに魔術師が1人増えると仲間内の行動もしやすくなる
1人では立ち回りが難しいが、2人いれば自分の仕事も随分楽になるだろう
其の為にも新米魔術師には速く一人前になって欲しかった
先ずは火系魔法の使い方から、だ
ちょっと様子を見に行ったついでに指導してやろう

魔術師の弟子、か・・・それも悪く無いな

そう思い、彼は北へと歩みを進めた


 <つづかない>