sidewalkcafe blog

日々是好日

医療崩壊について

まず関係ない様な記事ですが
後の記事からTBされているので一見

2006-09-26 - POP2*5(ポップにーてんご)

記事中から「1,500円のDVDを発売するためには予算を削減せざるを得ず、社員は10人程度の所が多い」
「それで年間50タイトルとかハードワーク」
「DVDの不具合はハード上の問題が大きいのに実際には制作ソフトメーカーにくる場合が多い」
「そんな中クレームが来たら仕事ができない」
「今は外のDVD品質審査会社がクレーム処理も一緒にやってくれている」


「ヨーロッパの無料プロバイダはサポートが全くない」
「サポート欲しけりゃ有料プロバイダ使え」
結局は値段対効果なんだろうな


んで、結論を先に書くとこうなる

http://society3.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1148520473/

上記内容より
1 :卵の名無しさん :2006/05/25(木) 10:27:53 id:KJniR49s0
    468 名前:名無しさん@6周年 投稿日:2006/05/25(木) 05:01:55 id:IB3ubemr0
    以下(1)〜(5)は、つい数年前まで右から左のマスコミ各社が揃って主張
    していたことであり、国民の多くが唱えたことです。

    (1)医療不信の原因は医局制度にあるので、さっさと解体するべき
     (医局批判の高まり)→医局員激減により派遣先の勤務医が過酷な勤務状況に
              →医局からの派遣に頼り切っていた地方医療崩壊
    (2)研修医が医療事故を起こすのは研修制度が整っていないせい
     (新研修制度開始)→2年間入局者ゼロ、研修医の当直や残業禁止
        →慢性的な人手不足に陥り、最前線の勤務医の負担増大、辞職続出
    (3)医療不信は医師が専門化し過ぎて全身を診れなくなったせい。
     家庭医や総合医を増やして、脱・専門化医療が望まれる。
     (結果)→高度に専門的な小児科、産科、脳外科などの志望者激減
    (4)少子高齢化に合わせ、産科・小児科を減らして老人医療の医者を増やすべき
     (それに応えて)→産科・小児科の志望者激減、透析や慢性期医療の人気上昇
    (5)これからは地方の時代、権限も金も地方によこせ
     (やらせてみたら)→地方財政の困窮、政争の道具としての医療費削減議論
        →地域医療の見本と言われた舞鶴市民病院や瀬棚診療所すら崩壊

    つまり、地方医療の崩壊や産科・小児科医師の減少は、マスコミと国民が
    望んだことであり、何をいまさらという感じ。

    ↑完全に論破されてるじゃん
    これに反論できるやついるの? 

結局、ざっと見た所では
現在の医療崩壊は医療現場意外の人が医療改革と称して現場を混乱させた為に起きたものと見受けられます。


例として舞鶴の名が挙がってたのでビックリしたが
舞鶴という所は地方にあって医療的に恵まれた地域だったんだそうだ(局地的に4つもの大病院がそろっている)
そのうちの一つ、舞鶴市民病院が今年の1月、救急を拒否
その後数ヶ月で機能停止に至ったそうです
<参考>
舞鶴市民フォーラム


直接の原因は副院長の退職に伴う内科医の大量退職ですが
問題は派閥争いなんて所にはないようです
<参考>
maizuru


舞鶴市民病院はこの副院長の下、先進的な研修制度を取り入れており
内科医の数は一般的な市民病院の約3倍
地方の医療現場にこれだけの人材が集まるのは、結局副院長の方針に因る所が大きかったようです。
しかし、本来なら日本の医学界が率先して行わないといけない研修制度を
地方の医療現場で行っている為、費用がかさみ慢性的な赤字経営だったそうです。
そこで市長の判断の下、新院長が任命されて赤字回収のために研修制度廃止、副院長は退職
すると研修制度に魅力を感じてやって来ていた医師は、特に魅力のなくなった地方病院に居る必要がなくなって、ほとんどが退職、辞意表明するに至ったという事らしい。
そりゃ「みきたちも辞めたかったら辞めたらいい」と言われて残る人は少ないでしょ^^;


結局「地方勤務」なんて誰でも嫌がる所なんですよねぇ
どっかのドラマみたく、地方医療に情熱を燃やす人なんて数える程しか居ないと思います
現実の日本は都市が数える程しかなく、他は皆地方です
何かに魅力がなければ人はやって来ません
先の舞鶴の様な先進的な研修システムや、報酬、時間的制約などが主な所でしょう


「医者は給料が高い」と妄信している人が多いと思いますが
日本の医療費は欧米と比べても安い、というか最近は中韓に比べても安いそうです(!)
中国は医療の特殊性から、高給が約束されているからとか


私は常々、医者と政治家は高給が当たり前と思っています
そうでなけりゃ魅力がない!
わざわざ他人の為に身を削る思いで働いているのですから大変な仕事ですよねぇ
年1600万は高いとか言われても、それで365日24時間拘束されたら安いくらいでしょう
しかも昨今は医療過誤裁判が流行で、重大な過失がなくとも社会的信用を失いかねません


・・・あぁ、何か前にも書いた気がするw


結局は患者(国民)側の過度な権利意識が、医療現場の権利意識を促してしまったって感じですか?
(リスク回避にならざるを得ない環境を作ってしまったと言えるね)


<参考>
医療崩壊リンク集

「死産」を届け出たら「業務上過失致死」? 産科医をやめます: 天漢日乗

産科医が死産を届けたら「業務上過失致死」って・・・


原告も阿呆、捕まえに来た警察も阿呆、受けた司法も阿呆だね
「医療不信回復の為に、医療ミスのない医学会を目指してもらうため」
とか何とか大義名分をかざしているけども
結局は以下の記事にある言葉に集約されているんだとおも
http://blog.so-net.ne.jp/furitani/2006-09-04-1
「確かに同級生や知り合いが当たり前の様に普通に出産して退院しているのに自分らだけ死んだり障害残ったら腹も立ちますわな。」


何も死を悲しむなとか、泣き寝入りをしろとか言ってるんではなくて
悲しみをぶつける方向性が間違ってると思うんだわ
裁判に勝っても負けても、失ったものは戻って来ないし
それがお金に換算できるとも思わない
本当に医療を良くしようと思うなら賠償金を寄付でもすればいいんだろうけど
病院から取った金を寄付して「良い病院にしてください」って
それはギャグでしかない


医者は必ず起こりうる医療ミス(医療過誤ではない)に対して
日々おびえながら過ごさなくてはならないし
そんな現場に就職したいと思う人もいなくなるだろう
現に産科・小児科の希望者は年々減ってきているんだそうな
医療ミスを無くせばいいと言うけれど
人間誰しもミスは起こすし、新人からミスの無い人はいない
名医といわれた人が退任後、可能な限りのデータを出した結果
医療ミス率は13%ほどだったそうな
一般人(患者)はその高さに驚愕し、医学者はその低さに驚いたとか何とか
ミスを積み重ねてプロになっていくわけだが
その小さなミスで医療の道を閉ざされるならやる気もなくす罠


結局、前に書いた「良きサマリア人の法」が日本に無い事が悔やまれるんだけど
反対派の「現行法を変えなくても、法解釈で可能」と言ってた人が間違ってた事がわかった
机上の空論
善意でも重過失がなくとも訴えられまくってるじゃん、医者



最後に、こないだ読んだ「ノルウェイの森」からのフレーズを

 キズキが死んだとき、僕はその死からひとつのことを学んだ。
そしてそれを諦観として身に着けた。あるいは身に着けたように
思った。それはこういうことだった。
「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるのだ」
 確かにそれは真実であった。我々は生きることによって同時に
死を育んでいるのだ。しかしそれは我々が学ばねばならない真理
の一部でしかなかった。直子の死が僕に教えたのはこういうこと
だった。どのような真理をもってしても愛するものを亡くした哀
しみを癒すことはできないのだ。どのような真理も、どのような
誠実さも、どのような強さも、どのような優しさも、その哀しみ
を癒すことはできないのだ。我々はその哀しみを哀しみ抜いて、
そこから何かを学び取ることしかできないし、そしてその学びとっ
た何かも、次にやってくる予期せぬ哀しみに対しては何の役にも
立たないのだ。


<参考>
http://www.yabelab.net/blog/2006/08/13-152908.php
http://ameblo.jp/satoshiinoue/
http://www.labor.or.jp/iroren/maidzuru_kenkai.html
http://www.kawamata.com/monologue060824.html
http://iseki77.blog65.fc2.com/blog-entry-250.html


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