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日々是好日

或る誕生日の記憶(1)

 今日は7月7日、七夕です。
子供達は短冊に願いを込め、恋人達は一夜の再会に酔いしれる、そんな夏の日。
 私は或る人の事を思い出します、7月7日が誕生日のあの人の事を。。。

 私の誕生日に祝いの言葉を捧げてくれたあの人に、私がおめでとうの言葉を贈る事はできませんでした。これからも一生その機会は失われてしまったのです。たとえ言えたとしても、その言葉があの人の下に届く事は無いのです。もう二度と。。。

 その人は、私の誕生日の朝。パソコンに祝いのメッセージを残すと、その後意識が戻らなくなったのですから。

 そして1週間後、彼女の葬儀が行われました。自身の誕生日を7日後に控えた6月30日の事です。

 こう書くと数奇な運命だと思わざるを得ません、できすぎな気もします。ですが彼女は実在しました、彼女の言葉・行動は決して忘れられない、私の妄想ではないと言い切れます。

 しかし最近ふと思う事があります。
私が彼女を忘れられないでいる事で、彼女を現世に縛り付けているのではないか、と。

 先日、記憶を辿っている時に今更ながら頬をつたうものがありました。こういった感情はとうに忘れていたものだと思っていましたが、「感情」も記憶されていたのですね。
 その記憶を忘れる事はないですが、少し整理してみよう、と筆を執りました。
 自分の過去を探しに、未来を探す為に。