古本屋で買ってきた一冊。
世界初の脳移植手術を受けた青年の経過を描いた作品。
優しい心の持ち主、成瀬純一は事故の為、世界で初めてという脳移植手術を受ける。
しかし、回復した彼を待ち受けていたのは「人が変わる」という恐怖だった。
日々凶暴になる思考。しかし医者は「問題ない」と繰り返すばかり。
仲の良かった恋人にも不満が募り、それを察した彼女は田舎へ引き込んでしまう。
移植された脳、その元の持ち主の人格が自分の人格を犯していると察した純一は、やっとのことで提供者の家族に会うが・・・
自分の事が信じられなくなる、自分が自分でないような行動をする事の恐怖。
徐々に凶暴になる性格に歯止めがきかず、荒んだ道へと突き進む主人公の姿は痛々しく、哀れでした。
これはどう転んでもハッピーエンドにはならないと思ってたのですが・・・東野さんらしい終着が。
前回「秘密」でも同じような感覚を覚えています。
こーいった作品づくりが上手いのね・・・まんまとひっかかってますw
ただ最後はちょっと釈然としなかったけど・・・
まぁ良し悪しは別として「面白い」作品だと重いますよ。
オススメ度 ★★★★
豹変度 ★★★★★
やるせない度 ★★★★