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日々是好日

EDEN:遠藤浩輝

オススメ度 ★★★★
ストーリー ★★★
神は死んだ ★★★★
EDEN(12) (アフタヌーンKC)

EDEN(12) (アフタヌーンKC)


“一生に一度の恋”にも、いずれ“二度目”がやって「来てしまう」もの
<本編より転載>

さて、本編ではついにマーヤとディスクロージャーウィルスの目的が明らかに
(以下ネタバレ含む)


「人類を文化も人種も宗教も政治も超えたレベルで1つにできるのはウィルスくらいなんだから」
だからディスクロージャーウィルスを「地球にまんべんなく」蔓延させようとしている・・・らしい

確か超人ロックでも同じようなお話があった
「不死者たち」
ある星で「不死」になれるウィルスが発見され
人類を全て「不死」にしようとする博士とロックの戦い

ウィルスは適合すれば「不死者」になるが、不適合だと死に至るというもの
しかも、適合率は低い
「歴史の監視者」ロックとしては、そんな不確定なものに未来をゆだねるつもりはなく
博士との戦いに挑むわけだが・・・

確率が高ければいいのか?
しかしロックの場合「不死者=悪」という視点で書いてるから、姿まで醜悪
対してディスクロージャーウィルスは「結晶化」という、結構美しいもの

ただ「不死者」は「個人」を保てるが、「結晶化」された人は「個人」としての感情を失い
「記憶」を結晶内に留めるのみとなる
ここらへん、作品のベースが違うからアレなんだが
超人ロック」はある意味ロックが「神」のような存在であるのに対し
EDENは、ディスクロージャーウィルスを「新たな神の誕生」のような位置付けにしてるようだ
当然そこらへんの違いで、ストーリーも大分違ってきてるしね


まぁ、だからといってEDENの人々が快くウィルスに身をゆだねる、という事はないし
マナがウィルスを拒否したのだって個人としての記憶が大切なものだと気付いたのだろう
個人を捨て、全体として生きるというのは個人の死と同じなのだから


ところで疑問
世界制覇(?)を目指しているプロパテールはマーヤの説明ではディスクロージャーウィルスを蔓延させてる張本人だという
しかし現実に為政者達がそういう行動をとるだろうか?
権力者が欲してるのは「現実の世界」であって、「結晶に埋もれた世界」ではないはず
何か別な意図があるのかな・・・ううむ